光と闇

「おい！生まれ変わりってどういうことだよ！！」

慧は自分の声で目が覚めた。

「(なんだったんだ、あの男は。てか生まれ変わりって意味分かんねー！)」

心でそう思いながら慧は身支度をしていた。そして部屋の中にあった本棚を見渡した。その中に気になる一冊を手に取った。

「(『ライトサテラの呪文書』？ライトサテラってさっき夢に出てきた男の名前だよな？てかなんで文字読めるんだ？？？)」

慧は文字が読めることに疑問を抱きながらも、ページをめくっていた。

「(んーなんとなく読めるけど…どんな呪文かの説明が書いてないな…。まぁ適当に読めるやつ唱えてみるか。まぁ人間である俺には呪文唱えたところで、何かできるわけじゃないしな。)」

そう思いながら、読めそうな呪文を適当に唱えてみた。

「えーっと、『ラジ、ラセラ、ルス…？』」

慧は(何も起こらねーじゃん。やっぱ俺は普通の人間なんだなぁ…）と思っていると、外から何かが落ちた大きな音がした。驚いた慧は慌てて窓を開け、音のする方を見た。すると美しい庭には似つかわしくない大きな穴が空いていた。