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そして、俺は全速力で春奈のマンションまで走った。



俺は走りながら、携帯で春奈に電話をしたが出てはこなかった。



俺は何度も電話をした。



走っていると、いつもの公園に春奈が1人でいるのが目に入った。



「春奈!」



俺は春奈の名前を呼んだ。



「貴ちゃん・・・・」



「ハァ・・・ハァ・・・お前・・・・こんな寒い日に風邪ひくぞ・・・・」



俺は自分が来ていたコートを春奈にかけた。



「あたしって都合のいい女?貴ちゃんもそう思ってる?」



「春奈・・・・」



「やっぱり・・・あたしと貴ちゃんは住む世界が違うんだよ・・・」



「はぁ?お前何言ってんの?」



「あたしこれ以上都合のいい女になりたくない!」



春奈は涙をポロポロこぼしながら言った。



俺は春奈を優しく抱きしめた。
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