If


「貴ちゃん・・・」



「勝手にパリでもなんでも行っちまえよ!」



そう言って、俺は春奈のマンションを飛び出した。



「貴ちゃん!!」



俺は自分でも子供染みた事をしているって分かっていた。



でも、どうしても笑顔で春奈を応援することは出来なかった。
「なんだよ・・・あいつ・・・ふざけんな・・・勝手に何でも決めやがって・・・・
なんでこうも俺の大事な人は俺から離れていくのかなぁ・・・・」




マンションを出た途端に、ものすごく辛くて涙が溢れてきた。
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