If
俺はテレビも見なくなった。
テレビをつければ、春奈が出ていない日などなかったから。
あれだけ、読んでいた雑誌も読まなくなった。
春奈を見ることが耐えられなかった。
なんてことない風景でも春奈がいれば、とてもきれいに見えたのに、今でもただ普通の風景でしかなかった。
夜も、春奈がいれば早く感じたのに、今では夜が長すぎて心細くなっていた。
気がつけば、俺は春奈を中心に生きていた。
春奈を思いながら生きていた。