If
長く続いていた雨の日々も終わりに近づき、だんだんと晴れ間が見えるようになってきた
そんな日だった。
その日も、俺はバイトだった。
裏口から入る一瞬の出来事だった。
後ろから女の人の声が聞こえたのだ。
「あの・・・・すいません」
「はい?」
俺が振り返るとそこには帽子を目深にかぶり、Tシャツとジーパン姿なのにどこか、オシャレを感じさせる雰囲気の『愛田春奈』が立っていたのだ。
俺は、あまりにもビックリして、しばらく何も言うことができなかった。