If


「俺達の初デートは海だったな・・・」



まだ少し、季節外れの海は肌寒かった。



「そうだね・・・」



春奈はそう言って、遠くを眺めていた。



「でも、寒いね・・・・」



春奈は自分の腕を摩っていた。



春奈は今の海に来るには、少し薄手過ぎた。



「そんな薄着してくるからだよ」



俺は自分の来ていた上着を春奈にかけた。



「貴ちゃんの匂いだぁ・・・」



春奈は嬉しそうに言った。



「変態!」



「いいもねぇだ!変態でも」



でも、俺自身春奈のことは言えなかった。



俺も、潮風と共に香ってくる春奈の優しい香りに俺も、嬉しさを感じていた。
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