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「ご注文は?」
「俺はコーヒー。君は?」
「あたしはオレンジジュースで・・・」
「かしこまりました」
俺たちは飲み物が来るまでの間、何も喋ることができなかった。
そんな時、春奈が口を開いた。
「あの、この前は傘を貸していただいてありがとうございました」
春奈は額が机につきそうなくらいに頭を下げた。
「そんな、いいよ。わざわざ返しに来てくれたの?」
「はい・・・少し時間がかかってしまいましたけど・・・」
俺は、そんな春奈のことが可愛いと思った。
わざわざ、俺を訪ねてまで返しに来てくれたことが嬉しかったのだ。
でも、なんだかどことなく話の合間に悲しそうな顔をしているのが気になった。