If


「俺は、貴之。21。高校に通ってるの?」



「はい・・・・あまり行ってませんけど・・・・」



「そうなんだ」


俺は優しく微笑んだ。



俺はあえて春奈が芸能人だということに触れなかった。



何だか触れてはいけないような気がしたし、あまり気にもならなかった。



あの日泣いていたことも触れようとしなかった。



春奈から言ってくれるのを待っていた。



俺はどちらかと言うと、強引に聞くタイプではなかった。





だから、話したくなったら話してくれればいいと思っていた。
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