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第2章 君への想い
春奈の正体
俺はギリギリだったが、なんとかバイトに間に合った。
「おつかれさまです!」
「おう、貴之おつかれ。つうかお前どうしたんだよ!ずぶ濡れじゃねぇか!傘持ってなかったのか?」
バイト先に着くといつも一緒に働いている先輩の彰さんが先に来ていた。
「いやっ、持ってたと言えば持ってたし持ってなかったって言えば持ってなかったような・・・」
俺は少し照れくさかったので、言葉を濁してしまった。
「どっちだよ!」
栗色で、適当にセットしてきた髪の毛からは雫がポタポタと落ちて、セットが台無しになっていた。
「まぁいいや!それよりほら!タオル貸してやるからこれで拭けよ」
そう言って彰さんはロッカーからタオルを出して投げてきた。
「あっ、ありがとうございます。」
彰さんは俺がいつも尊敬している先輩だ。
彰さんは俺のことを可愛がってくれる。
「ちゃんと、それ洗って返せよ!」
「分かってますって」
彰さんは先に店へと出た。