If


「俺の本当の母親は俺を置いて、出て行ったって前言っただろ?」


「うん・・・」



春奈は真剣な眼差しで聞いてくれた。


「それが・・・最近毎日電話がかかってきて・・・・会いたいって・・・」



「よかったね!本当のお母さんに会えるんだ!」


「でも・・・俺・・・・」


俺は俯いてしまった。



「どうしたの?まだ、お母さんのこと許せない?」



春奈は俺の的をついてくる。



「あぁ・・・やっぱり、息子を置いて出て行った母親が理解できないんだ・・・それに・・・・なんだか・・・会うのが怖い・・」





俺は、心のどこかで母親に会うことを恐れていた。
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