voice-ヴォイス-




尊の家。



結局、深夜までファン同士の言い合いは続いた。



見方でいてくれるファンのコメントまで消すのは申し訳なかったが、ぜんぶ消去させてもらった。



「多分、明日も来るんだろうな。」


「消しても消してもキリないよ、こんなの」



メンバーはため息をついた。


「仕方ない。海に見せないようにしなきゃいけないんだから。」



やっぱりムカムカするのか尊は不機嫌な声。



優もそうだが、尊もほとんど怒らない人間だ。



だがきっと尊はここ数日で、去年に怒った数のほぼ半分の回数怒っている。




「俺が海をスカウトしたんだ。俺が海の演奏いいと思ってスカウトしたんだ。何もわかってないようなやつに口出されたくない。俺の好きな音楽を反対するやつにファンなんて言われたくない」



尊はそう言いながらパソコンを操作する。



尊は昔から音楽に対する思いが一段と強い。


それを否定されることは誰だって嫌なものだ。




洵も優も凌は何も言わず、そんな尊を見守った。






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