voice-ヴォイス-
ここから海の叔父の家は、電車で二駅で、駅から徒歩5分ほどの場所にある。
だから車でも結構ある方だ。
車を走らせてしばらくは沈黙が続いた。
重苦しい沈黙の中で尊が「黙っててゴメン」と謝った。
海は首を横に振った。
尊もみんなも悪くない。だから謝ってほしくなんかない。
「海を傷つけたくなかったんだ。」
そういう尊の声色はさっきより優しげになっていた。
少しホットする。
「本当に気にすることないからな。あんなアンチ野郎の言ってること間に受けるなよ。あんなのより俺らの方が海のこと分かってるんだから。」
海はその一言にドキッとした。
そして嬉しそうに頷いた。
「俺らでできることはするし、お前のこと守るから。ファン全員に海のこと好きになってもらえるように努力するから」
尊はそう言って、信号で止まってる時に優しく海の手を握った。
海は頷いて軽くその手を握り返した。