voice-ヴォイス-
2人はがっつくように食べ始めた。
相当お腹が空いていたのだろう。
「海、料理作るの上手いな!」
「っていうか、よくここまで作れるほどの食材、発掘したね」
褒められるほどのモノは作ってないんだけどな、なんて思うけど、やっぱり褒めれると嬉しい。
あっという間に2人は完食した。
お腹の空きは落ち着いたようだ。
「昨日、ホームページ見に行った?」
と尊が問いかける。
この話をしてもイライラオーラは出ていない。この話をしても冷静を保てるようになったようだ。
『昨日は眠くなってすぐ寝ちゃったんで見に行ってないです』
と返事を返す。
本当は嘘だ。
怖くって見に行けなかったのだ。
「そっか。」
2人は海の表情を見て、怖くて見に行けなかったのだ、と感じたようだ。
沈黙が流れる。
すると沈黙を遮るように海のケータイが鳴った。
雫(シズク)からのLINEだった。