voice-ヴォイス-
学校が終わってあたしには遊ぶ相手がいない。
話す相手だっていない。
誘ってくれる人だっていない。
それはあたしの声が出ないから。
そしてあたしが心を閉ざしちゃってるから。
だけど真っ直ぐ家には帰らない。
叔母さんたちに『友達がいないのかしら?』って心配されたくなかった。
ただでさえいっぱい迷惑かけてるし、叔母さんたち、とっても心配性だから、、、
海は通学路の小さな公園のベンチ近くの芝生にギターケースを置き、宝物のギターを取り出し、ベンチに座り、弦を弾いた。