voice-ヴォイス-
「はい。どちら様でしょうか」
《あれ?ここ、尊ん家だよね?》
ファンか?
そう思ったが違った。
《君がもしかして海ちゃん?俺、尊たちの友達なんだけど、、、》
そういう口実かも。一瞬躊躇ったが、信じて鍵を開けた。
絶対、自分、大きな詐欺に嵌っちゃうタイプかも。なんて思った。
だがその訪問客は本当に友達のようだった。
「こんにちはー、初めまして。俺、あいつらの友達の朔(サク)っていいます。よろしくー」
朔は握手を求めてきたので不安になりながらも握手をした。
「よろしくお願いします。青咲海です。」
「ネットで見たよー。俺、君のギター好きだよ。昔の俺の弾き方にそっくりで懐かしさを感じたんだ。俺も一応、バンドやってるからさー。洵たち4人とは高校の同級で、学生のときバンド組んでたんだ」
「へぇ」
海は一気に親近感をわかせた。
ああ、あたしって単純だ。なんて思ったことは朔には言えない。