voice-ヴォイス-



「はい。どちら様でしょうか」


《あれ?ここ、尊ん家だよね?》



ファンか?



そう思ったが違った。


《君がもしかして海ちゃん?俺、尊たちの友達なんだけど、、、》



そういう口実かも。一瞬躊躇ったが、信じて鍵を開けた。


絶対、自分、大きな詐欺に嵌っちゃうタイプかも。なんて思った。




だがその訪問客は本当に友達のようだった。


「こんにちはー、初めまして。俺、あいつらの友達の朔(サク)っていいます。よろしくー」


朔は握手を求めてきたので不安になりながらも握手をした。


「よろしくお願いします。青咲海です。」


「ネットで見たよー。俺、君のギター好きだよ。昔の俺の弾き方にそっくりで懐かしさを感じたんだ。俺も一応、バンドやってるからさー。洵たち4人とは高校の同級で、学生のときバンド組んでたんだ」


「へぇ」



海は一気に親近感をわかせた。


ああ、あたしって単純だ。なんて思ったことは朔には言えない。


< 125 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop