voice-ヴォイス-
「でもここでいいんだ。とくに用はなかったしさ。ただ様子見に来ただけだし。いないならおいとまするし。」
様子見?
そこに軽い疑問を持ったが、スルーした。
「そうですか?じゃあ何か何か伝言ありましたらお伝えしますが?」
朔は『うわ、あいつらにはもったいないほどのいい子だ!』と海を褒めるので照れくさくなった。
「伝言はとくにないけど、尊の様子、大丈夫?」
尊に何かあったのか?
海は首を傾げると、
「ほらだって、あいつ治って5年経つだろ?そろそろ発症しなきゃ完治だろ。気になってさー。」
え、、、、?尊って何かの病気なのか、、、?
海は不安にかられた。
だが海はその場で知らされることも、「知らないんだと。じゃあいいや」と放置されることも怖くて知っているフリをした。
「そうですね。でも元気ですよ。今日もバイト行ってますし、」
と答えると、
「それ聞いて安心したよ。じゃあ俺は帰ります。少しは連絡寄こせって言っておいてー。」
と朔は出て行ってしまった。