voice-ヴォイス-




海は少し聞くことに気が引けた。



「尊さんの様子見に来たって言ってた。」


みんなの表情が少し強張ったような気がした。


それで不安度が増した。




「ねぇ、完治って何?5年って?朔さん言ってたよ?!尊ってなにか病気なの?!」


思い切って問いただすと3人は俯いた。




なんで否定しないの?


なんで『そうじゃないよ』って言ってくれないの?





みんなの様子で尊は5年前に大きな病にかかっていたのだろうと本能でわかった。



海はまだ何も事情を聞いていないのにいつの間にかに泣いていた。




洵が重たい口を開いた。



「尊は―――、」


と言いかけた瞬間、凌(リョウ)が止めに入った。



「おい!止めろよ!尊が言うなって言ってたろ?!」


その言葉に痛んだ。



あたしには言えないんだ、、、


今、そんなことで傷ついている場合ではないはずなのに、痛かった。



「でも海はもうメンバーなんだ。俺たちメンバーが知っていることを新メンバーが知らなくてどうする?しかもあいつは聞かれたら言ってもいいって言ってた。無理に隠そうとするとかわいそうだし、違和感あるからって。」








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