voice-ヴォイス-




「でも聞きたかったんでしょ?俺がなんでメンバーになった海に病気のこと絶対しなかったのか」



バレていた。



「だって俺だってそうだもん。ずっと隠されてて、ほかの奴らは知ってんのに、俺だけ知らなかったら、痛いし苦しいし、何より“何でだ”って問いただしたくなる」


またおどけた。



「俺の話、聞いてくれる?」


尊はいつもの笑顔で優しく言った。




海は頷いた。


正直、聞くのが怖かった。



なんで自分だけ知らないのか。
なんで自分だけに言わないのか。



そう思う一方で“聞きたくない”という思いもあった。




そんな矛盾ばかりの思いな海は尊とベランダに出た。





海はどんな話でも、苦しくても、尊の話を最後まで聞くって決めた。







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