voice-ヴォイス-
「えぇえ??!」
ある日の夕方、いつものように練習しているときに部屋中に悲鳴が響き渡った。
声の主は尊(タケル)だ。
楽器の音を差し置いても張り上げられた悲鳴にみんなびっくりした。
「どーしたんだよ、一体」
凌(リョウ)が問いただすと、尊はある紙を差し出してきた。
しかもそれを持つ手は震えている。
紙は何というか、学校でもらう、保護者へのお願いや案内がかかれたプリントのようだ。
さっき郵便受けに入っていた尊宛ての封書のようだ。
この家の住人だからといって、見てもいいものなのか?
なんて思ったが、本人が渡してきたものなのだからいいのだろうと、凌はその紙に目を通す。
みんなも覗く。