voice-ヴォイス-




その一言で確実に部屋の空気の色が変わった。


緊張感から意欲に変わったような気がした。




「尊が珍しく真面目なこと言ってるな」


メンバー全員が吹いた。



「珍しくは余計だ!」



尊は頬を膨らましつつ、嬉しそうだ。


やっぱり、先が大変であっても、苦しくてもデビューできることは嬉しい。



毎年、メジャーデビューできる人は多くても、できない人だってたくさんいるはずだ。


生き残れる人は少なくても、生き残る以前にその場に立つことすらできない人だってたくさんいるのだ。




「生き残れるように頑張ろうね」


海は張り切ってみんなに言った。




「海が加入してこのバンドはパワーアップしたように感じるんだ。だからきっと認められる最強なバンドになれるって気がするんだ。だからきっと叶えよう」



海の一言に頷き、優が言った。



メンバーみんなが頷いた。







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