voice-ヴォイス-
まるでこの前、みんなで話したような世界。
やっぱり世界は厳しいんだ―――。
「どうですか?私たちと契約を交わし、メジャーデビューしてみる気はありますか?」
その質問にみんな即で「もちろんです」と返した。
「それはありがたいです。ですがすぐにというわけにはいきません。一応、オーディションを受けていただくということになりますが、」
「かまいません。自分たちは落とされる覚悟で来ています。今、落とされるとしたら、それが自分たちの実力です。そうなったら努力して、また挑戦するまでです。どうかよろしくお願いします」
杉林さんの言葉に洵が返事し、頭を下げた。
メンバーみんなも洵に続き、頭を下げた。
「では予定を組みましょう」
杉林さんは会議室内にあるカレンダーで予定を組み始めた。
海はメジャーデビューに近付けた気がして、緊張したが嬉しかった。