voice-ヴォイス-



もじもじする海を見て青年はハッと我に返った。



「あ!ゴメンね、ついつい自分好みのギター弾いてる子見つけちゃったからはしゃぎ過ぎたー。話したくなかったら別に答えなくっていいよー。」


明るく青年は言う。


きっと無視してるとか、人見知りだとか思われてる、絶対。




違う。そうじゃない。



すごく驚いたけど、本当は褒められて嬉しかった。


あたしのギターをこんなに歌が上手い人に褒められて嬉しかった。




ただ伝える術がなくて、、、



もう手間なんて関係ない。


この青年に褒められて嬉しかったこと、伝えたい。



< 16 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop