voice-ヴォイス-
海は青年に『待って』とジェスチャーで伝えて、制服のポケットから伝達用に使っているメモ帳にボールペンを走らせた。
スラスラと書いて、青年に差し出す。
『すみません。私わけがあって喋れないんです。
褒めていただいてありがとう。うれしいです。』
青年は読み終わって少し驚いた表情をした。
「あ、、、こっちこそゴメン。君に謝らせて。」
海は首を横に振った。
すると青年は、
「ねぇ、そのメモ帳とペン借りてもいいかな?」
と言った。
海は首を傾げながら頷き、ペンとメモ帳を渡した。