voice-ヴォイス-
青年はメモ帳にペンでカリカリと何かを書き込んでいる。
書き終えたのか、文字の書かれているページを上に差し出された。
ちょっと汚い字。
「俺、バンドやってんだ。録音、録画して動画サイトとかにアップしてるんだけど。君さ、バンドとか興味ある?もしよければ俺たちの仲間にならない?」
え――――。
状況が上手く飲み込めない。
「これがバンド名で、これが練習場所の住所と簡単な地図。それと俺の名前とメアドね。都合がよければメールして」
差し出されたメモ帳には
『4☆Clover』と書かれていて、隣に住所と簡単な地図が描かれていた。
『4☆Clover』とはバンド名なのだろう。
その下には赤城 尊(アカギタケル)と書かれていて、隣にケータイ用のメールアドレスが書かれてる。