voice-ヴォイス-
そう感じたのはつかの間。
そろそろ昼休みが終わりそうだ。
学校自体はケータイ禁止ではないが、朝から放課後の間は電源を落として鞄にしまっておくことが校内ルール。
先生に見つかったら没収されて面倒だし、約束の時間を越えてしまう。
『ではまた学校終わってその場所に近づいたらメールします』
《はい。わかりました。待ってます》
すぐに返事が来るし、言葉遣いも優しい。
海はほっこりなりながらケータイの電源を落とし、学校指定の通学鞄の内ポケットにケータイを入れた。