voice-ヴォイス-
六限の現国の授業が終了し、ホームルームが始まる。
だが、担任が忙しかったらしく、教室にやってきたのはいつもより10分遅れた頃だった。
みんな文句を口々に言う。
いつもなら文句・苦情を感じない海でさえ、このときは『早くしてくれない?!』と思った。
ホームルームが終わり、駆け足で学校を飛び出した。
歩いて行けるほどの場所でよかった。
近付いたらメールして。という約束を思い出した。
海は鞄からケータイを取り出した。