voice-ヴォイス-
ついた場所はすぐ近くの築20年ほどの一軒家だった。
「ここさ、俺の実家だったんだ。親父たちがじいちゃん家受け継ぐことなって、売ることになったんだけど、俺が一人暮らしにしたいって言ったら、ここ譲ってくれてさ。
で、前まで住むだけで、練習とかは別の場所でやってたんでけど、騒音トラブルで追い出されちゃって、住宅地でもなかったし、この場所をスタジオ兼自宅にしたんだ。一応リフォームして音漏れ最大限に抑えられる壁に変えたりさ、」
尊は説明しながら扉を開けた。
懐かしい匂いがした。
両親が生きていたころ住んでいた家と同じ匂いがした。
するとギターやドラムの音が聞こえた。