voice-ヴォイス-
あたしは動けなかった。
怖かった。
あんなに死んじゃえばいいのに、なんて思っていた両親なのに、、、
『事故だー!』『早く救急車呼んでくれ!』とあたりには怒声が響き渡る。
あたしは動かない足を必死に動かして、ゆっくり原形をとどめていない今朝まで見ていた黒色の軽自動車に近付いた。
『子供は見ない方がいい!!』と体格のいいおじさんがあたしを止めた。
でも必死にもがいた。
そこには血まみれでぐったりとして動かなくなった父と母がいた。