voice-ヴォイス-
海は部屋にあったホワイトボードに駆け寄った。
なにか話し合いに使ったり、歌の制作に使っているのだろう。
水性マジックをボードに滑らす。
【どうしたら私を認めていただけますか?私、まことさんに認めてもらってバンドの仲間になりたいです!】
尊(タケル)と優(スグル)と凌(リョウ)が一瞬、『おっ』という顔をして嬉しそうに笑った。
海は力強く、洵(マコト)を見つめた。
まるで喧嘩をうっている状態にしか見えない。
洵は少し動揺したように見える。
だが気持ちは揺るがない。
「だから、俺一人で充分。バンドだったら別でもできんだろ。喋れないんだったっけ?そのハンディー理解してくれる仲間でも探せば?」
胸がチクリと痛む。