voice-ヴォイス-



海は部屋にあったホワイトボードに駆け寄った。


なにか話し合いに使ったり、歌の制作に使っているのだろう。



水性マジックをボードに滑らす。



【どうしたら私を認めていただけますか?私、まことさんに認めてもらってバンドの仲間になりたいです!】


尊(タケル)と優(スグル)と凌(リョウ)が一瞬、『おっ』という顔をして嬉しそうに笑った。



海は力強く、洵(マコト)を見つめた。


まるで喧嘩をうっている状態にしか見えない。



洵は少し動揺したように見える。



だが気持ちは揺るがない。


「だから、俺一人で充分。バンドだったら別でもできんだろ。喋れないんだったっけ?そのハンディー理解してくれる仲間でも探せば?」



胸がチクリと痛む。

< 42 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop