voice-ヴォイス-
練習と言っても近所迷惑にならない程度にしか音を出せない。
もっと思いっきり弾けるところに行きたいが、時間帯的に危険だ。
うちの学校には軽音部がある。
明日、そこの部室を間借りできないか聞いてみよう。
今はコードと音に慣れる練習。
明日はそれを通した練習。
あたしには時間がない。無駄な時間は作れないんだ。
海は渡された譜面を見ながらコードを押さえながら弦を軽く弾き、音を確かめる。
そんな練習を始めて1時間ほど経った頃、LINEが入った。
また雫だろうか。
そう思い、何気なくアプリを開くと、凌と表示された。
さっき洵以外のみんなとLINEを交換した。
洵は合格したら交換すると一点張りで交換してくれなかった。