voice-ヴォイス-



「いやぁぁぁあああ!!!」


あたしは叫んでその場でうずくまった。



ずっと無視し続けるあたしを、ずっと気にかけて優しく声をかけてくれたお母さんが。


仕事帰りにあたしが好きなお菓子屋さんに寄ってお土産を月に何度も買ってきてくれたお父さんが。


少しお節介気味なところがある二人だった。


優しいね、って友達みんなに言われるのが嫌で、あたしは2人を無視して、疎ましく思って、父のお土産なんて一口も口にしなかった。



どうしてあたしは素直になれなかったの―――?



本当は大好きだった。

本当はいつもありがとうって言いたかった。

本当は感謝してた。

本当は誇りだった。



それなのに―――、
あたしってなんてサイアクな娘なんだろう…。


ゴメンナサイ、、
ゴメンナサイ、、、
ゴメンナサイ、、、





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