voice-ヴォイス-
《練習中かな?はかどってる?》
お調子者のドラマー、凌のLINEは絵文字もスタンプも華やかでカラフルで賑やかなLINEだ。
絵文字をあまり入れないLINEをする海にとって返事に絵文字を入れるべきなのか悩みどころだ。
『はい。近所迷惑にならない程度に。
夜にコードと音に慣れて、明るくて音をいっぱい出せる時間帯に
通し練習をしようかなって考えて。』
一応、無難な絵文字を少し織り込んで送信。
《お、それ計画的でいいね。
俺は海ちゃん入ってくれること楽しみにしてるから
練習頑張ってね。
俺でできることは応援するし。
じゃあね。邪魔してゴメンね?》
『嬉しかったです。ありがとう』
海は返事を返して、再び、ギターを持って弦を弾いた。
あたしを応援してくれる人はたくさんいる。
だから応えられるように頑張らなくちゃ。
海は頬をペシッと叩いて気合を入れた。