voice-ヴォイス-
「リラックスだよ」
なんておどけた調子で笑いかける優とは打って変わり、
「練習の成果は?」
と低い声で問いかける洵。
声と表情が怖い。なんか怒られてる気分。
「何だよ洵。今からオーディションだってのに海を緊張させてどーすんだよ。表情堅すぎだし、声も怖い。海が怖がってんじゃんか」
と軽く尊が叱責すると、
「そんなことで怖がるようなやつに、ギター半分任せられるか。そんなんで弾けなくなるようなら俺は合格なんざ認めねぇ」
と洵が言い放った。
その一言で身が引き締まった感覚がした。
海は急いで担いできた愛用のギターをケースから取り出し、軽いチューニングをして準備をした。