voice-ヴォイス-
海は4☆Cloverのメンバーになれた。
海は課題曲だった3曲以外の過去の曲の譜面をもらった。
海の加入前はギターは洵だけだった。
突然な海の加入によってギターパートを分けたタイプに書き直したようだ。
ありがたい、と思いながら海は優と凌に教えてもらい、ギターの練習した。
その頃、洵はベランダに出て煙草を吹かしていた。
そこに尊が顔を覗かせた。
「洵、隣いい?」
缶コーヒーを洵に手渡す。
洵はベランダに常備してある灰皿に煙草を押し付けて火を消し、『サンキュー』と缶コーヒーを受け取る。
2人で並んでプルタブを開け、あおる。
尊が好物だという某食品会社の買い込み缶コーヒーを気前よく出すときは何かある時だ。
「で、今日は何?」
洵のストレートな質問に尊は『ばれてる?俺って読まれやすいなー』と苦笑した。
「じゃあストレートに聞く。お前さ、海がもし演奏失敗していても、なんだかんだ理由をつけて合格にさせるつもりだったんだろ?」
洵も苦笑した。
この単純バカに俺の考え、読まれてるなんてな、とは口には出さないが思う。
「無難な理由、一応考えてたんだけど必要なかったな」
尊は『やっぱりな。』と笑った。
「洵と俺、伊達に付き合い長くないから分かったよ」
なんか勝ち誇ったように笑う。