voice-ヴォイス-




「でも、あの子、どうなるかな?」


尊が一口、缶コーヒーをあおって問いかける。



「どうなるって?」


「ほら、この前、洵が言ってたじゃん。アンチみたいなのは出てくると思うって。出てくるのかな?」


「わからない。けど、ホムペとか動画とか更新してるし、加入をいい風に思ってないやつとか悪口をコメント欄に書き込んでくるんじゃないかなと思う。」


「そっか……」


尊が悲しそうな表情をしたので、洵はフォローするように『あくまで俺の推測だけど』と付け足した。



「そういうの出たら、海、傷つくかな?」




加入を認めないだので揉めた時、このバンドに入りたいんだと主張した海は力強く洵を見つめていた。


あの目の力強さに軽く圧された。




「あの気の強さなら一人で抱え込むタイプだろうな。」



「俺もそう思う。だから心配なんだよな……。」



「でもそれは今心配したって変わらないだろ」



「そうだけど……。」



尊は頭を抱える。






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