voice-ヴォイス-




「もしさ、そんなのが出たら俺たちはなにすればいいんだろう。」



尊は洵を見て問いかける。



「今、心配したって変わらないのはわかってる。まだそういうのが出てくるなんて確証はないんだし。でもそれは絶対にはないとも言えないわけだし」




「俺らは俺らでいればいいんだよ。アンチなんか関係あるか。海がそれで悩まされてるんなら励ませばいい。傷ついたからなんだってんだ。そんなやつらの言葉だけで揺らぐほど弱いバンドならすぐ潰れるぜ」



「そうか、、そうだよな。洵ってやっぱりいつも救世主だよな」



救世主って、まだ何が起こったわけでもないのに救世主にされても。と思ったが敢えて口に出さないでおいた。



「洵のいいとこってそういうとこだよな。人が悩んでること、冷静になって答えに導き出してくれるとこ。」



洵は尊に褒められて照れくさくなって、返す言葉に悩んで、洵も尊を褒め返すことにした。



「そう?じゃあお前のいいところは優しい心を持ってることだろうな。人が悩んでる時にそいつの目線になって支えてくれるとこ」




だが尊は洵とは違い、『ホントに?』と照れながら、もっと褒めて!もっと褒めて!と言わんばかりな様子だ。


まるで犬みたいだ。


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