voice-ヴォイス-



『私が声を失った原因は事故現場見たからってだけじゃないの。私、その頃めちゃくちゃ反抗期で、お母さんやお父さんのことずっと避けていたんです。』



「へぇ、意外。海って真面目そうに見えるからそういうの無さそうに見えるのに」



『そんなことありません。お父さんやお母さんのことずっと疎ましく思ってたし、酷いこともいっぱい言ってきた。お父さんもお母さんもこんなに最低な私をずっと優しくかまってくれていたのに、私はずっと無視したり』



目から涙がひとつ零れた。



それが確認できたときにはせき止められないくらいの涙が溢れてきた。



「大丈夫か?」



と洵が海の背中に手を置いて、リズムよく叩いてくれた。


まるで子守唄のときに叩いてくれるて手みたいで心地いい。



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