voice-ヴォイス-




『洵さんはこんな私に優しすぎます。私最低なやつなのに』



「海は何も悪くない。反抗期なんて誰にだってある。俺にもあったぞ。絶対俺の方が迷惑かけてた。なんせ警察沙汰にまで持ち込んだことあるからな」



冗談じゃないのか?と思ったが、それを言う洵の表情が複雑そうだったから本当なのだろう。




「海が何したって言うんだ?事故が自分のせいで起こったとでも言うつもり?反抗し続けた自分に責任があるって言うつもり?そうじゃないだろ?ただお前には反抗したこと謝る相手がいなくなってしまっただけだ。



もし海が反抗して親を傷つけてきたこと気付いてないならダメだけど、お前はちゃんと気付いてる。それも声を失うほど抱え込んでる。きっと亡くなった両親もそんなこと望んでない。抱え込むのは止めようよ」



背中に回した手は頭に移動し、優しく撫でられた。




涙で顔がぐちゃぐちゃになる。


視界が涙でかすむくらい。きっとこのまま泣いていたら腫れそう。




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