voice-ヴォイス-
そのバトルを見てるだけでとても楽しい。
確かに。
洵が言うように、ここにいれば、みんなといれば、いつかきっと忘れることができそう。
海はそのいつもながらの光景を見ながら笑った。
明るく笑った。
楽しそうに笑う海を見て洵が笑った。
「なに目を見合って笑い合ってるんだよ!なんかあったの?!」
「まさか、そういう関係?!」
優と凌がそう騒ぎだし、尚更うるさくなる。
「ちがう!もうこの話は終わりだ!練習始めるぞ!」
と洵が切り出し、ギターを練習し始める。
「あー!勝手に話終わらせるなって!どーなわけ?」
食い下がる凌に洵は『だから違うって言ってんだろ!』と叫びながら練習をしていた。
海はそんなやり取りを見ながら、心の中で『ありがとう』って呟いた。
そしてひとしきり笑った。
尊はそんな海を見て少しだけ悲しい顔をした。
それには海は気付かなかった。