私だけには、甘く優しく。
そんな彼のことを知りもせず、知ろうともせず、ただ彼にはすごく美人”らしい”彼女がいるってことだった。
わりかし席が近かった私と彼。
彼が周りの友達と話すところを盗み聞きしていると、時折”彼女”という言葉を耳にする。
彼女もヤンキー?
いや、でもきっと
”清楚!””優女!!””可愛い!!!”なんて
三拍子そろったような子なんだろうなぁ、と勝手に想像していた。
実はそのころから、少しだけ彼のことが気になっていたのかも。