オトナの秘密基地
Prologue
やられた。
徹底的に、しかも、情け容赦なく。
私の目の前には、がっつり傷がついたディスプレイ。
そして、白い海と黒い岩が規則正しく並んだかのような、キーボードの浅瀬があった。
この惨状に頭を抱えつつ、わずかな希望を胸に、そっと電源を入れてみる。
中には、大事な大事なデータがいっぱい入ってるんだから!
……しかしもう、私のノートパソコンは、起動すらしない。
あまりの怒りに背筋が震えた。
今までずっと耐えてきたけれど、限界。
キーボードからあふれ出す牛乳をまき散らしつつ、ノートパソコンを抱えて部屋を出た。
「もう、どうしてくれんのよっ!!」
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