オトナの秘密基地
最期の夜
しばらくの間、沈黙が続いた。
ただ、横になっている私と、カツヤの頭を撫でている旦那様。
沈黙を破ったのは、旦那様だった。
「和子、すまない」
……何で突然、謝られちゃうの?
「え? 何がですか?」
また、沈黙が続いた。
とても言い出しにくい事なんだろうか。
この夫婦の話を何も知らないまま、和子さんの『中の人』になった私としては、あまり深い話をされても返答に困るんだけど。
ドキドキしながら、旦那様の言葉を待った。
すると。
「カツヤのお産の時も、この子の時も、俺はここにいない。
家の中の事は、全部お前に任せたままだ」
……旦那様、とてもいい人じゃないの。
旦那様は軍人で、今は戦争中だから、それは仕方のないこと。
多分、旦那様本人も、後ろ髪をひかれる思いで出征したんだろうし。
和子さんなら、そこは絶対責めないはず。
ただ、横になっている私と、カツヤの頭を撫でている旦那様。
沈黙を破ったのは、旦那様だった。
「和子、すまない」
……何で突然、謝られちゃうの?
「え? 何がですか?」
また、沈黙が続いた。
とても言い出しにくい事なんだろうか。
この夫婦の話を何も知らないまま、和子さんの『中の人』になった私としては、あまり深い話をされても返答に困るんだけど。
ドキドキしながら、旦那様の言葉を待った。
すると。
「カツヤのお産の時も、この子の時も、俺はここにいない。
家の中の事は、全部お前に任せたままだ」
……旦那様、とてもいい人じゃないの。
旦那様は軍人で、今は戦争中だから、それは仕方のないこと。
多分、旦那様本人も、後ろ髪をひかれる思いで出征したんだろうし。
和子さんなら、そこは絶対責めないはず。