オトナの秘密基地
たとえほんの数人助けたつもりでも、未来が大幅に変わる可能性は高い。
「ごめんなさい、これ以上は言えません」
本当は、伝えたい。
できないことが、もどかしい。
歯切れの悪い言葉しか使えない自分が嫌だ。
うつむいて、そのままじっと沈黙に耐える。
「俺は知らない方がいいんだな?」
静かに、旦那様が答えを確かめてくれる。
力なく、頷くしかなかった。
「それで『和実』と子ども達が危機を乗り越えることはできるのか?」
その問いにだったら答えられる。
「向こうの世界で調べて来ました。
安全な場所を確認したので、それも大丈夫です」
「そうか。
和子の身と子ども達がちゃんと生きていけるなら、安心だ」
心からほっとしたような表情で、旦那様は静かに笑った。
静かに笑いながら……ぽつりと呟いた。
「俺がいなくても、和子と子ども達がしっかり生きていけるだろうか。
それだけが、心残りだった」
「ごめんなさい、これ以上は言えません」
本当は、伝えたい。
できないことが、もどかしい。
歯切れの悪い言葉しか使えない自分が嫌だ。
うつむいて、そのままじっと沈黙に耐える。
「俺は知らない方がいいんだな?」
静かに、旦那様が答えを確かめてくれる。
力なく、頷くしかなかった。
「それで『和実』と子ども達が危機を乗り越えることはできるのか?」
その問いにだったら答えられる。
「向こうの世界で調べて来ました。
安全な場所を確認したので、それも大丈夫です」
「そうか。
和子の身と子ども達がちゃんと生きていけるなら、安心だ」
心からほっとしたような表情で、旦那様は静かに笑った。
静かに笑いながら……ぽつりと呟いた。
「俺がいなくても、和子と子ども達がしっかり生きていけるだろうか。
それだけが、心残りだった」