オトナの秘密基地
留萌(るもい)に住むおじいちゃんはよくこの時代の話をしてくれていた。

おじいちゃん、ありがとう!


「負けていたら、どうなる?」


「北海道の半分が、なくなるところでした」


「それは、どういう……?」


ここまで話していいものか、少し悩む。

でも、たとえ旦那様ひとりがこの事実を知ったところで、歴史はそんなに変わらない筈。


「相手国は、釧路から留萌までを直線で結んだラインの北半分を、自分の領土にしようと考えていました。

しかし北鎮部隊の活躍で、それを阻止できたとのことです。

北海道が半分にならずに済んだのは、北鎮部隊のおかげだよ、と私は教わりました。

私達はとても感謝しています。

これで、答えになったでしょうか?」

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