オトナの秘密基地
そして披露される、数々の惚気話。

和子さんは家事全般が得意で、カツヤを出産してからも、ひとりでちゃんと家を守っていたそうな。

さっきまでにこにこしながら話していた旦那様の表情が、ここで少し曇る。


「実は和子は、叔父の息子……俺のいとこからも言い寄られていたようだ。

結婚してからも、すぐそばに住んでいるせいか、何かとちょっかいを出してきた。

だから、俺がいない間も気を付けて欲しい」


心配しているように見せかけて嫉妬してる?

ちょっと可愛い、かも。


「ええ。そうします。

……ところで、私、その方々のお顔が全然わかりません。

写真ってありますか?」


そうお願いすると、押し入れから白い箱を持ってきてくれた。

箱の中から出てきたのは、旦那様と和子さんの結婚写真。

白無垢姿の和子さんが、とても綺麗だった。
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