オトナの秘密基地
まずい、相手を興奮させてしまった。
こんなバカ男、いくらでも論破してやれるけれど、ここには私とカツヤしかいない。
危害を加えられても、誰も助けてくれない。
私とカツヤとお腹の子を守るために、どうすればいいのか必死で考える。
……話題を変えよう。
「だって、正さんにももしかしたら赤紙が来るかも知れないですよね。
これ以上、戦場へ夫を送り出す役目を、私は果たせません……」
我ながら相手を傷つけない言葉を選んだと思ったのに、正さんはそれを鼻で笑った。
何故?
「俺は兵隊にならない。
結核を患っていることになっているらしい。
ま、俺の知らない所で親父が勝手に手を回したんだろうよ。
いくら金積んだんだろうな、ははっ」
……絶句。
こんなバカ男、いくらでも論破してやれるけれど、ここには私とカツヤしかいない。
危害を加えられても、誰も助けてくれない。
私とカツヤとお腹の子を守るために、どうすればいいのか必死で考える。
……話題を変えよう。
「だって、正さんにももしかしたら赤紙が来るかも知れないですよね。
これ以上、戦場へ夫を送り出す役目を、私は果たせません……」
我ながら相手を傷つけない言葉を選んだと思ったのに、正さんはそれを鼻で笑った。
何故?
「俺は兵隊にならない。
結核を患っていることになっているらしい。
ま、俺の知らない所で親父が勝手に手を回したんだろうよ。
いくら金積んだんだろうな、ははっ」
……絶句。