オトナの秘密基地
襟首を掴まれて、ぎゅっと上に持ち上げられる。
もう片方の手で拳を振り上げて、今にも殴りかかろうとしてきたので、すかさず声を上げる。
「なるほど、今度は私と子どもを殺すのですか。
これなら合法的に兵役から逃れられますね。
前科者は、軍の規律を乱す恐れがある者として徴兵されない決まりがありますもの。
でも、遺産も相続できなくなるってご存知ですか?」
「何だと……どうせでたらめ言ってるんだろう!」
「いいえ、本当です。
自分より相続の順位が上の者を殺す、もしくは殺そうとして処罰された人は、相続欠格者となります。
つまり、カツヤを殺せば、正さんは中田家の財産を相続する権利がなくなります」
民法の授業で教授が生々しい判例を語ってくれたのを思い出す。
この話はそのまま火サスの世界だ、と思って聞いた記憶が蘇る。
もう片方の手で拳を振り上げて、今にも殴りかかろうとしてきたので、すかさず声を上げる。
「なるほど、今度は私と子どもを殺すのですか。
これなら合法的に兵役から逃れられますね。
前科者は、軍の規律を乱す恐れがある者として徴兵されない決まりがありますもの。
でも、遺産も相続できなくなるってご存知ですか?」
「何だと……どうせでたらめ言ってるんだろう!」
「いいえ、本当です。
自分より相続の順位が上の者を殺す、もしくは殺そうとして処罰された人は、相続欠格者となります。
つまり、カツヤを殺せば、正さんは中田家の財産を相続する権利がなくなります」
民法の授業で教授が生々しい判例を語ってくれたのを思い出す。
この話はそのまま火サスの世界だ、と思って聞いた記憶が蘇る。