オトナの秘密基地
カツヤを連れて、茶の間に戻った。

正さんは、胡坐をかいて部屋の真ん中でニヤニヤしている。


「で、何をくれるって言うんだ?」


早速、図々しい催促が始まった。


「その前に、3つ、約束して下さい。

まずは一つ目、私の権限で差し上げられるのは、これだけです。

あとは、手続きが必要なものばかりですからこれで最後だと思って下さい」


「はははっ。土地なんかはもらえると思っちゃいねえよ」


「二つ目です。

私が差し上げたことを、決して口外しないで下さい。

特に、叔父様に知られると面倒なことになるでしょう」


「そりゃあ、俺だって同じだ。

親父に知られちゃ、根こそぎ持ってかれちまうだろう。

大丈夫、喋らねえよ」
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