オトナの秘密基地
「ね~、ミヅキだって、カズミちゃんともっといっぱい遊びたいでしょ?」


「うん」


「ほ~ら、ボランティアにここまでなつくと思う?」


ダメだ。やっぱり解ってない。

言いたいことはいっぱいあった。

でも、今愛実に言い返すと、それをこの子達も聞いてしまうことになる。

意味はわからなくても、ママと私が言い争う様子を見せるのは、教育上よろしくない。

私が我慢すればいいんだ。


「もういいわ。ごちそうさま」


子ども達がいないところじゃないと、言ってはいけないと思った私は、静かに茶碗を下げて、自分の部屋に戻ることにした。

リビングではまだ、子ども達の騒ぐ声と、愛実の笑い声が響いている……。

< 16 / 294 >

この作品をシェア

pagetop