オトナの秘密基地
どうやらここまでは、私の思惑通り話が進んでいるらしい。

カツヤは正さんを睨みつけて座っている。

幸い、正さんは目の前の美味しい話に気を取られて、カツヤの視線に気づいていないようだった。


「では、三つ目です。

これを最後に、私達親子をそっとしておいて下さい。

私達は征二さんが帰ってくるのを、静かに待ちたいのです。

例え未亡人になったとしても、再婚は考えません」


「わ、分かったよ……」


「もし、この約束が守られなかった場合、すぐに徴兵逃れを告発します。

いいですね?」


「ああ。これ以上要求しない、喋らない、お前達にちょっかい出さない、これでいいんだろ?」


「そうです。では、お受け取り下さい」
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